官能小説 家庭内盗撮の妄想

官能小説

 

恥辱の通過儀礼(7)

― 視姦される悦び ―



 美子の部屋は、3階建てアパートの2階にある。鉄骨プレハブで、築後10年近く経っているために、薄緑色の外壁はややくすんでしまっているが、スタジオにも職場にもまずまず近く、安さを基準に選んだ割には、比較的ましな物件だと言えた。

 親元を遠く離れての一人暮らし、その不安もあって女性専用のアパートを選んだ。ただ、大家さんの住まいは別だし、規則もさして厳しくない。美子自身は祐一が初めて招いた男性だったが、他の部屋の女の子たちは、夜になると割合よく男を連れ込んでいた。

 世帯は2階に七つ。他の階にもそれぞれ同数がある。規則で禁止されてはいなくても、独身女性が平日の昼間に男を連れ込むのは、近所の目が気になる。階段を足早に上り、建物の壁面から張り出した形式の通路を進んだ。美子の部屋は一番奥だ。

「散らかってますけど、どうぞ・・・」
 鍵を開け、祐一を先に通す。間取りは1K。入ってすぐ右側の、流し台やコンロが置かれている辺りがキッチン。左の壁にある二つのドアは、それぞれバスとトイレへの入口だ。

 そうだ、奥に下着を干していた。思い出してよかった。
「ごめんなさい。ちょっとここで待っててください」
 言い置いて、ひとりで正面のドアの中に入る。カーテンレールの干し具から、ブラ、ショーツ、その他の部屋着を手早く片づける。

 こういう時って、テレビドラマみたいに玄関の扉の外で待ってもらえばいいのかな。何もかもが初めてだから、あたふたしてしまう。クローゼットの中の衣類ケースに洗濯物を収め、部屋の隅々までをざっと点検。そして、正面のサッシ戸を横に引き、一杯に開く。

 朝から締め切っていた部屋だ。寝具や衣類から、空気中に溶け出した美子自身の体臭を、祐一に嗅がれてしまうのは恥ずかしい。左側の壁にある小窓を、ぐっと向こうに押し出して開け放つと、窓とガラスの引き戸の間に空気の通り道が出来た。

 汗ばんだ肌に、程よく乾いた夏の風が心地よい。午前中の一連の出来事を思い出すと、恥ずかしさに頬が染まる。一瞬、軽いめまいを感じて、壁に手を突いて体を支えた。失神してしまう程の快感は、まだ美子の体内に、いわば残響として漂っているらしい。




「お待たせでした。中も暑いですけど・・・」
 ここは平坦な市街地の中では、ちょっとした高台の上にある建物だ。玄関側には、同じ外観のアパートが15メートルずつ離れて2棟並んでいるが、部屋からの眺望を遮るものはほとんどない。

 クーラーはなく、夏は扇風機、冬は石油ストーブだ。床のカーペットが熱を含んでいる。美子は玄関に戻って、自動で締まってしまう扉を、ドアストッパーで少し開いた状態に固定した。台所へのドアも全開にしておけば、それでもずいぶんと涼しくなる。

 午前中は、今までの自分からは考えられないほど淫らになって、はしたない願いを口にした美子だったが、当の相手に改めて正面から見つめられると、どうにも気まずい。雰囲気を変えたくて、開放的な空間を作ろうとしたのもあった。

「冷たいものでも、どうですか? あ、牛乳しかないかな・・・」
「牛乳、いいなぁ。ぼくも好きですよ」
 視線を背中に感じつつ、美子は再び台所に立った。よく冷えた牛乳の入ったグラスが二つ、低いテーブルの上に置かれる。

 カーペットに腰を下ろした祐一の背中辺りに、シングルベッドがある。いつもそこで寝ているのだが、明るい中で見ると、これから二人でする行為を暗示しているように思えて、美子は慌てて目を逸らす。女らしくないストレートな想像に、頬がかっと火照る。

「ここにおいでよ、ミーコ」
 グラスの中身を飲み干した祐一が、小さなテーブルを挟んで向かい合っていた美子に向かって、自分の傍らを示した。笑顔だが無理に作ったという印象はなく、くつろいでいるように見える。

「・・・はい・・・」
 小声で答えて腰を浮かし、その場所に移る。心臓の鼓動が速くなる。背中から回された祐一の左手が肩を抱き寄せる。美子は横座りのままで、祐一の胸に肩を預ける形になった。

「好きだよ・・・」
 髪に触れながら、祐一が呟く。素っ気ない口調、そして飾らないその言い方が、心に染み透る。決して女の機嫌を取るためにではなく、この人は心からそう思ってくれている。

 正面のガラス戸は南向きにあたるため、そのすぐ内側の床に、7月の強い光が斜め上から射している。乳房にも、ジーンズを穿いた下半身にも、祐一は触れて来ようとしない。バルコニーの向こうから聞こえて来る夏の音だけが、耳の奥で木霊している。

「自分がわからないんだ。こんな気持ちになるなんて・・・」
 祐一の声に滲む戸惑い、そして切なさ。抱き締めてくる腕の優しさ。これもまた、女なら誰にでも使う手なのかしら。いいえ、そうじゃない。例えそうだとしても、私はこの人を愛している。

 斜め後ろに首を捻じって、祐一の目を見上げる。スタジオの窓際で犯された時と同じ位置関係だが、その表情はまったく違って見えた。祐一が唇を重ねて来る。鳶色の瞳に映った風景。その雲のかたちを目の奥に焼きつけて、美子はそっとまぶたを閉じた。




 数時間前にスタジオで交わったのが、祐一との初めてのセックスだ。裸の乳房を窓から丸出しにして、立ったまま後から突き上げられた。その後で床の上で犯され、失神するまで何度もイキまくったのだが、それは美子自らが望みを口にした結果だ。

 ふしだらな女、たしなみを知らない女、そう思われても仕方がない。裸同然のレオタード姿を見られ、踊る姿をビデオに撮られている ―― そう意識しただけで、あれほど強く抱いて欲しいと感じるなんて、私って本当は淫乱だったのだろうか。

 ピザの代金を自分で払うのにこだわったのは、せめてもの抵抗だった気がする。激情に流されていたら、抱かれるために何でもする女だと思われる。それが嫌だった。しかし、そのすぐ後から、自宅に来てくれと言い、「いっぱい抱いてください」とも口にした。

 求める心と恥じらう気持ち、どちらも自分なのだ。ただ、片方に振り子が傾くと、次はもう片方に惹き寄せられる。柔らかく唇を吸われ続けていると、次第に力が抜けてゆく。子宮の奥で一旦は消えかけた熾き火が、再び熱を持とうとしているのがわかる。

 乳房の芯が疼き始めている。心臓の音が聞こえる。上下の歯の間に挿し込まれる祐一の舌に、相手以上の勢いでむしゃぶりつきそうになり、はっと体を硬くする。この人を好きだ。この人が欲しい。でも、女の私から積極的に求めるのは・・・。

 祐一が大切に扱ってくれているのは、背中に回した腕、肩を抱く手のひらの力加減から伝わってくる。確かに嬉しい。だが、一方でもっと荒々しく抱いて欲しくもある。太い腕に組み敷かれて犯される、それを望んでいるもう一人の自分がいる。

 焦らされて焦らされて、男の指が服の上からバストに触れて来た時、ふさがれた唇から快感を伝える声がもれた。
「うっ・・・ぅうん・・・」
 慎ましくありたい。しかし、体はひとつになりたがっている。

 布地を隔てた愛撫がもどかしい。早く楽にして欲しい。どうして祐一の前だと、こんな恥知らずな女になってしまうのか。美子の想いを受け止めるように、男の指がカットソーの裾を持ち上げて、ブラジャーの上から乳房を揉み始めた。

「ぅ・・・うふぅん・・・んぁん・・・」
 右胸を包み込んだ手のひらが、ゆっくりと円を描く。祐一の指は、寄せる波のように強さを変えつつ、乳頭のありかを探って来る。ああん、体が熱い。直につまんで欲しいのに。

 淫らなおねだりをしたくても、唇はふさがれたままだ。タバコの味が微かにする祐一の唾液、それすらも愛しくてたまらない。切なげに体をくねらせる仕草から察してくれたのか、背中のホックが外され、ブラカップが押し上げられる。

 恋人に裸にされてゆく悦び。だが、祐一の手はなかなか望む場所に伸びて来ない。アンダーバスト付近をなぞり、持ち上げるように揺さぶる。無意識に体を反らせて、少しでも胸を触りやすくしようとする自分が信じられない。だけど、昂ぶりはもう止まらない。

「ミーコの胸、可愛いよ。ほら、よく見せて」
 いったん唇が離れ、上着が首と両腕から抜き取られる。続いてブラジャーも。祐一の舌が、肩口から膨らみの頂点に向かって、ゆるゆると這い寄って来る。

 その速度に焦れながら、美子は外を見やる。カーテンは、自分が引き戸と一緒に開けたままだ。小高い台地の端に、この建物はある。すぐそこに、下の道路から登ってくるための切り通し。きゅうり畑が続き、70メートルほど離れて一軒家がいくつか見える。

 人影はない。強烈な夏の光だけだ。それでも、胸は高鳴って仕方がない。誰かにこんな姿を見られたらどうしよう。でも、それを口にしたら、祐一は愛撫を止めるのではないか? 臆病な私に呆れて、出ていったりはしないだろうか?

 サッシ戸を閉めなくちゃ ―― 口元まで出掛けたその言葉を、美子は呑み込む。待ちわびた舌先が、乳輪の縁をなぞる。スタジオで抱かれてから、乳首は勃ち通しだ。今朝まではこんな事はなかったのに、体の中で何かが変わりつつあるのかも知れない。

 唾液をたっぷり含んだ舌が、ついに右の乳首に辿り着いた。
「あぁん・・・あん・・・いいっ・・・」
 思わずおとがいを突き出し、甘えを含んだ喘ぎがこぼれる。もう一方の乳首に伸びた指が、敏感な突起をこりこりと揉み潰す。

 祐一の唇が乳首を離れ、再び口をふさぎに来る。舌の根元まで吸い取ろうとするような、甘美なキスがひとしきり続き、今度は反対側の乳首に熱い舌先が絡みつく。何度もこれを繰り返されるうちに、再び焦燥感がじりじりと増してゆく。

「ああぁ・・・お願い・・・」
 吐く息も熱い。我慢しようとしても、媚びが声に混じり込む。これまでに体を許したのはひとりだけ。この2年近くはキスさえしていなかったのが信じられないくらい、体全体で感じてしまっている。

「どうして欲しい?」
 わかっているくせに。だけど、祐一はそれを美子自身に言わせたいのだ。淫らな願いを自ら口にすることで、女の官能が溶け出すのをよく知っているかのように。

「・・・言えないわ・・・ねぇ、わかるでしょ?」
 裸の背中からうなじを、祐一の舌が舐め上げる。ぞくりとする感覚。耳たぶを軽く噛まれてから、再び唇を求められる。美子はありったけの切なさをぶつけて、祐一の口腔深くに舌を挿し入れた。




 いつの間にか、美子は男の胸に背中を預け、サッシ戸に向かって脚を投げ出す体勢になっていた。反射的に、乳房を手のひらで覆い隠す。祐一が、美子のひざの後ろに手を入れて持ち上げた。右、そして左。開脚の体育座りのような姿勢を取らされる。

 誰かがこの部屋を覗いていたとしたら、建物の近くからでは、美子の上半身しか見えないだろう。だが、畑の辺りまで離れると、下半身まで視線が届く。バルコニーには鉄製の柵が取りつけられているが、ほとんど目隠しの役には立たない。

「ああぅ・・・いやぁ・・・」
 ジーンズの上から、爪の先がジッパーの辺りを軽く引っ掻くように刺激して来た。微かな振動が、ショーツの中の敏感な部分に届く。じわじわと遠火で炙られるような、この辛さ、もどかしさ。

「言ってごらん、どうして欲しい?」
 肉体的な刺激だけではない。男に体を委ねて、その言葉に従うことの快感が、体の奥の方から兆し始めている。美子の顔は、頬から目元にかけて真っ赤に染まっている。

 祐一の指は厚い布の上から、正確にクリトリスの周辺を擦り続ける。女としての体の造りと、どこが感じるかを知られている恥ずかしさに、美子の太ももが小刻みに震える。
「お願い・・・そんなはしたないこと、言わせないで・・・」

 乳房を覆った手のひらと肌の間に、男の指が割り込む。敏感な乳頭を揉みにじられる快感に、また自分から唇を求めてしまう。たっぷりとそれに応じた後で、祐一が囁いて来る。
「素直に言えばいいよ・・・ミーコの全部が好きだから」

 女は男に、こうやって性の悦びを刷り込まれてゆくものなのか。体験の少ない美子にも、それは確かに感じ取れる。ありのままの自分の心と体を愛し、受け入れてもらえる快感。その歓びを与えてくれる男にこそ、女は身も心も投げ出してしまうのだろう。

「ジーンズを・・・脱がせてください。ああっ・・・」
 戸を開けたまま下着1枚になるなんて、あまりに恥知らずだ。しかも、玄関のドアも少し開けてある。だが、口にするのをためらっている間に、裏返しにされたジーンズが手早く引き下ろされる。

 肌に密着したパンストの内側にも指が入り込み、クルクルと剥かれた。足首から抜き去るために一度は閉じることを許された脚が、内ももの素肌も露わに、ぐいと外に広げられた。美子が身につけているのは、淡いピンクのショーツ一枚だけ。

「んぁん・・・うぅん・・・」
 触れるか触れないかの絶妙なタッチで、指が太ももの付け根を這い回る。ショーツ脇の肉が少し窪んだ辺りで、布をめくる素振りを見せたかと思えば、焦らすようにまた縦筋をゆっくりと撫でる。

「もう濡れてるんだね。ホントに可愛いな、ミーコは」
「ああっ・・・恥ずかしいの・・・言わないで」
 割れ目に沿って股布が濃い色に染まり、淫らな湿り気を帯びている。そのシミを揶揄する言葉が、美子の女壷を蕩々にしてしまう。

 女陰の形を意地悪くなぞられ、爪の先でクリトリスを軽く擦られる。ショーツ越しなのが、もどかしくてたまらない。
「はぁん・・・んぁ・・・ぅくぅ・・・」
 強い愛撫を求めて、思わず腰を突き出してしまいそうになる。

 ショーツの縁を行きつ戻りつしていた指が、ついと布の両端を掴んで真ん中に寄せた。脇から、黒々とした飾り毛がはみ出る。
「あぁっ・・・いやっ・・・」
 慌てて手で隠そうとして、今度は乳房が無防備になってしまう。




 触って欲しいけど、他人に見られたくはない。だが、それが本心だろうか。直に触れられていないのに、下着を濡らす自分。戸を閉めてと言い出せずにいるのは、祐一の愛撫が止まってしまうのが嫌だから? そう思い込もうとしているだけではないのか。

 して欲しいのは、自分でも認めたくない程、不潔で淫らな事。
「だめぇ・・・いやなのぉ・・・祐一さん、お願い・・・」
 動揺しつつ、股間に伸びた祐一の手首を押さえつけようとする。その手を逆に絡め取られ、背中の方にくいと捻られてしまう。

 荒っぽい動作ではないが、祐一の明確な意志を感じて、思わずされるがままになる。もう片方の手も、同じようにして背中に持っていかれた。男の大きな手が、華奢な手首を一まとめに掴む。そこにさっき脱がされたパンストが、きりりと結わえ付けられた。

「やめてっ・・・どうして、こんな事・・・」
 心臓が、早鐘のように打ち始める。これでは、乳も陰部も自分では隠せない。戦慄が背中を走る。だが、それと同時に、経験したことのない種類の疼きが、下腹の奥で妖しく脈動を始める。

「ミーコの美しい体をすべて、ぼくのものにしたいから」
 言葉の持つ甘やかな響きに、頭の中を真っ白にされてしまう。美子はのどを反らせて、男の唇を求める。脚を閉じようとするのを、太ももを掴んだ祐一の腕が許さない。

「ほら、中までいじりやすいように、もっと脚を開こうね」
 男の指が再び縦長のシミをなぞり始めると、布の奥にある淫裂がじんわりと痺れて来る。早く脚を閉じなくては ―― 懸命にもがいているつもりなのだが、下肢全体にまるで力が入らない。

 スタジオで抱かれてから続いている、めまいに似た不思議な浮遊感が強まって来る。自分の感情さえも、どこか現実感が欠落しているようでもある。祐一の巧みな指遣いで、女の裂け目から花蜜が溢れ出し、また下着を汚してゆく。

「ああぅ・・・怖い・・・外から見られちゃう」
 切れ切れに呟きつつ、羞恥に火照った頬を男の胸に埋めようとする。見知らぬ誰かの視線を、布一枚に覆われた股間の中心に感じながら、それでも脚を閉じることができないだらしなさ、淫らさ。

「大丈夫だよ。あんなに遠くからじゃ、こっちには気づかないさ」
 そう言われて、はっとして景色に目をやる。人影らしきものは見えない。しかし、畑の向こうの家々までが、この姿に気づかれずに済むほど遠いのかはわからない。あぁ、怖いわ・・・。

「見られたっていいじゃないか。こんなに素敵な体なんだから」
 祐一の指が股布の中央をつまみ、ぐいと横に引っ張った。遮るもののなくなった女陰が、真昼の光の中に晒される。
「すごい濡れ方だな。まだ、触れてもいないのに」

「ぅあぁっ・・・やめてっ・・・んぁっ・・・うぅん・・・」
 唇をふさがれ、抗いの言葉が封じ込められた。もう一方の手の指が、剥き出しにされたクリトリスを弄び始める。
「大丈夫。誰に見られたって、ぼくが守ってあげるから」

 美子は顔を真っ赤に染め、しきりに「許して」と繰り返す。しかし、女壷全体が熱く熔け出しているのは隠しようがない。
「こうされるのが、本当は好きなんだろ? 感じるんだろ?」
「いやぁ・・・そんなことない。感じてなんかない・・・」

 愛液まみれの肉の裂け目は、指をずぶずぶと呑み込んでしまう。
「素直になればいい。見られて感じるのは、ちっとも変じゃない」
 恥じらいの源泉を、浅く深くえぐられる。腰が艶めかしく踊る。
「ぼくも、ミーコが裸を見られるかと思うと、こんなに興奮してる」

 パンストで括られた両手。その手のひらに、不意に熱いものが押しつけられた。これって、祐一さんの・・・。嬉しい、こんなに大きくなってる。失神するまで貫かれたスタジオでの交わりが思い出され、下半身の疼きが我慢できないほどに高まる。

「見せつけてやればいいさ。私はこんなに愛されていると」
 男に命じられるまま、体を委ねることの心地よさが、体全体に満ちてくる。もちろん、恥ずかしさは少しも薄まらない。だが、その羞恥そのものが、興奮と悦びを倍化させてゆくのだ。




 淫らな姿を他人の目に晒す、それは女としてあってはならない事だ。美子は母から、「女らしさとは、どんな時も恥じらいを忘れないこと」だと教わった。父も紳士的な人で、家庭内では性的な事を連想させる話題は、注意深く避けられていた記憶がある。

 母は年齢の割にさばけた性格だったが、子どもの前では絶対に父といちゃついたり、ふざけたりする姿を見せない人だった。両親の夜の営みを、垣間見てしまったという経験も美子にはない。とにかく、その手の話題も行いもタブーという家庭だった。

 女には、性欲も性への関心もない。父や母の年代では、それが一般的な考え方だったのだろう。しかし、友達の中には開放的な家庭に育った子もいて、彼女たちは気軽に男子と交際する術も、女としての魅力をアピールするやり方も心得ていた。

 私だって、男の子と普通に笑って話しがしたい。しかし、そのやり方がわからない。母にも相談できず、美子は悩んだ。一方で、第二次性徴で少女としての体つきが大人に近づくに連れ、自分の小さな胸と大きな尻がコンプレックスになっていった。

 中学高校と、何度か恋をした。告白されたことも、それ以上にある。人づてに「○○君が、ミーコのこと、可愛いって言ってたよ」と教えられもした。だが、美子が奥手で生真面目すぎるのか、恋仲にまでなることは一度もなく、それもまた心のしこりになった。

 そんな中で、最初に学んだクラシックでなくモダンの道を選んだのは、踊りの自由さや面白さもあったが、やはり華やかな舞台や衣装の魅力も大きかった。男性の注目を集めたいという願望を、親が納得する形で実現しようとしたわけだ。

 テレビで見た神碕先生の踊りに魅せられたのは、ありのままの自分を見られたいという想いの、ひとつの現れではなかったろうか。極薄のレオタードで踊れと先生に命じられた時、戸惑いながらも鈍い興奮を感じていたのではなかったか。




「・・・あぁぅ・・・ねぇ、本当にいいの? こんないやらしい私でも」
 真昼の野外に向けて、剥き出しの陰部を晒す。気も狂わんばかりの恥じらいと、全身に広がってゆく快感のうねりの中で、美子は痴態を視姦される悦びに呑み込まれようとしていた。

「それを言うなら、ぼくだって十分にいやらしいし、変態だよ」
 祐一がショーツを脱がせようとするのを、腰を浮かせて協力する。そして、三たび同じ屈辱の姿勢を取らされる。股間を覆う一片の布もないままに、脚を思い切り開いた体育座り。

「いい天気だ。きっとこの部屋も、外からよく見えてるよ」
「ああっ・・・いやっ・・・」
 晒し者にされることだけが、快感を生むのではない。愛する祐一が自身の淫らさを受け入れてくれたこと、そして、彼が自分を嬲ることで、喜んでくれているとわかるのが何より嬉しい。

「どうして欲しい?」
「いっ、言えない・・・そんなこと、言えない・・・」
 頬を祐一のシャツに擦りつけ、眩しすぎる外の風景から目を逸らそうとする。祐一の両手が肉の合わせ目に近づいて来る。

「言っていいんだ。素直になってごらん。もっと素直に・・・」
 心の奥底まで染み透り、淫欲を解き放とうとする甘い囁き。
「・・・さ、触ってください・・・私のアソコを・・・お願いだから・・・」
 男の思い通りにされるのが、こんなに気持ちいいものだなんて。

「わかったよ。じゃあ、どれだけドロドロか、確かめてやろう」
 陰唇の脇の肉が両側に引っ張られ、入り組んだ肉ひだの奥に涼やかな風が吹き当たる。そのひんやりとした感触と、外から視姦される恐怖に体がすくみ、新たな花蜜が湧き出して来る。

「ぼく以外の男にも、こんな風にされた事あるかい?」
「あぁん・・・ないわ・・・あなたが初めてです」
 着替えを覗かれるだけでも、女として恥ずべきことなのに、こんな破廉恥な姿を見られたら、とても生きていけない。

「今まで、何人の男とセックスしたんだ?」
 牝穴を全開にしたままで、祐一の残酷な質問は尚も続く。
「うぅっ・・・ひとりだけです・・・ああ、早くぅ・・・」
 敏感な突起を、揉み潰されたい。アソコを深くえぐって欲しい。

「外から、しっかり見てもらえて嬉しいだろ。じゃあ、そろそろ・・・」
 容赦ない辱めの言葉に続いて、祐一の指が陰唇を掻き分け、女壷の底を探る。もう一方の手がクリトリスを嬲り始める。望んだ通りの刺激に、美子は全身を歓喜に震わせる。

「はぅうっ・・・もうっ・・・」
 卑猥な水音を響かせながら、二本の指が根元まで抜き挿しされる。皮を剥かれたクリトリスが、指先で揉みにじられる。
「イキそうっ・・・ああっ・・・もう、イっちゃう!」

 おとがいを真上に突き出して、絶頂を噛み締めようとする美子。祐一がその後ろ頭を掴んで、顔を正面に向かせる。
「可愛い顔が、外からよく見えるようにして、気をやるんだよ」
 人影は見えない風景だが、どこに誰の目がないとも限らない。

 向かいの一軒家の窓から、畑の側の小道から、見知らぬ男たちの無遠慮な視線が突き刺さって来る気がする。
「ミーコのよがり顔、よーく見てもらおうな。ほら、イっていいぞ」
 肉芽と女壷の二点責めに、美子は一気にアクメへと駆け上る。

「あっあっ・・・あぁっ、イキます! イっクぅ!!」
 ひときわ深く突き入れられた祐一の指を、きりきりと食い締めながら、美子はエクスタシーに達した。女のすべてを剥き出しにして、素顔を晒す悦びに打ち震えながら。




 祐一にとっては、愛するものを辱めることだけが悦びなのか? 美子を襲う、めくるめく羞恥調教。この続きは、「恥辱の通過儀礼(8)」でお楽しみ下さい。




このストーリーはフィクションです。登場する団体、人物等は架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。のぞき、盗撮、強姦、輪姦などは犯罪です。絶対に真似をしないでください。