官能小説 家庭内盗撮の妄想

官能小説

 

輪姦の宴(3)

― 渇きの催眠暗示 ―



 エレベーターのドアが閉まるのを待って、祐一が由真の肩を抱き寄せた。愛する人の体温が、由真を幸せな気持ちにさせる。首を軽くかしげて、その胸に預けた。
 目的のフロアに着くまでの、短い、だけど満ち足りた沈黙。

 絨毯が敷き詰められた廊下を、突き当たりまで歩く。ルームキーで鍵を開け、二人は中に入った。ドア脇のスイッチを入れると、柔らかな間接照明の中に、アイボリー主体の調度が浮かび上がる。
「急だったんで、こんな部屋しか取れなくてね」

 その言葉とともに、強く抱きすくめられた。
 胸に埋めた頬を、耳元から降りてきた祐一の指先がなぞる。そして、のど元からあごに掛けての曲線。触れるか触れないかの微妙なタッチに、由真の全身にかすかな電流が走る。

「もしかして、椎名さんもここに連れてきたの?」
 こんな事、訊かない方がいい。頭ではそう思っても、その問いが思わず口をついて出た。
「まさか。言ったろ、彼女とは昼間に相談されただけだって」

 嘘かも知れない。だけど、それでもいい。今は、ただ彼に抱いて欲しい。そうすれば、あの女に勝てる。どれだけこの人を愛しているか、きっと伝わる。
「キスして・・・」

 あごを軽く持ち上げられた。二人の視線が絡み合う。瞳の奥まで覗き込まれているような、祐一の真っ直ぐなまなざし。そこに映っている自分自身を見た。そう思った次の瞬間、唇を奪われていた。背中に回された祐一の腕に、ぎゅっと力がこもる。

「・・・んぅん・・・うふぅん」
 歓びが、由真の体を突き抜けた。出口を失った吐息が、鼻腔から漏れる。由真も彼の背中をぎゅっと抱きしめた。上下の唇を割って、舌が侵入してくる。

 少しヤニっぽい味の唾液。だけど、好きな人のものだと思えば気にならない。背中のファスナーに掛かった指が、じれったいほどゆっくり下りてゆく。両肩を肌けられ、両腕から抜き取られた白いワンピースが、由真の足元にはらりと舞い落ちた。

 祐一との初めてのキス。期待した通りの、優しさに満ちた口づけ。スリップの肩紐が二の腕を滑り、それも輪になって足元に落ちた。ルームライトのトーンは柔らかいが、由真にとっては十分に明るい。
「あぁん・・・恥ずかしい・・・」

 ブラジャーとショーツだけの姿で、男の腕で抱きすくめられる。普段の自分なら、こんなに簡単に相手の思うままにはならない。今夜は酒の酔いも手伝ってか、とても大胆になっている。背中でブラのホックが外され、乳房をあらわにされる。開放感が心を満たす。

 衣服を剥ぎ取られて素肌を晒す羞恥と、好きな男に体を預ける歓び。矛盾する二つの感情の間を、心が振り子のように行き来する。だが、決して不快ではない。由真は、その心の揺らぎを楽しんでいた。祐一の唇が頬から首筋を伝い降りて、鎖骨を優しくくすぐる。

「私、汗の匂いしない? 練習の後、タオルで拭いただけだから」
 ふと気にかかって、そう呟いた。誰もいない部屋なのに、つい声を潜めてしまう。
「少しも。由真さんの体って、すごくいい香りがする」

 祐一が床にひざを突いた。程よい大きさの乳房、その裾野から、舌が円を描きながら頂上に近づいてくる。ミューズのスタジオに、シャワー設備はない。さっきの店でお手洗いに立った時にも体を拭い、香水をつけた。だが、汗のべとつく感覚が少し残っている。

「あん・・・あぁはん・・・」
 乳頭を唇に含まれ、舌で転がされた。思わず恥ずかしい声が、漏れてしまう。いつもはこんなに感じない。相手が祐一だからだろうか。それとも、さっきのイメージトレーニングが効いているのだろうか。

 ブラも肩口から抜き取られた。背骨を辿って来た手のひらが、最後に残った薄いベージュのショーツ越しに尻の谷間を探る。別の手が、太ももの内側をゆるゆると這い登ってくる。流されたいと願う一方で、このまま抱かれるのには、やはり抵抗がある。

「やっぱり汗臭いみたい。シャワー、浴びてくるから待ってて」
 男の腕をするりと抜け出し、足元に散乱した服を素早くかき集める。それで胸元を隠しながら、浴室の中に飛び込んだ。胸の高鳴りが止まらない。だが、それ以上に下半身に妖しい疼きが広がっている。

 天井近くにある棚に服を載せ、ショーツを脱いだ。股布の裏側が、楕円形に湿っている。やっぱりもう濡れていたんだ。
 早く抱かれたい。そう思う一方で、祐一に安く見られたくないという気持ちも働く。バスタブの縁をまたぎ、シャワーの栓を開けた。火照った体に、冷水が気持ちいい。

 鍵は掛けなかった。彼がドアを開けて、いつ浴室に入って来てもおかしくない。そう思うと、ざわざわと心がときめく。水しぶきが肌を滑り落ちてゆく。ボディソープをつけて、念入りに全身を洗った。汗と一緒に、かすかに残っていたためらいが、流されてゆくように感じた。




 体を洗い終えて、シャワーを止めて耳を澄ませた。しかし、外からは何の物音もしない。帰ってしまったのだろうか? そんな筈はないと思いつつ、少し不安になる。網棚からバスタオルを取って全身を拭き、そのまま体に巻きつけ、端っこを胸の脇に差し込んだ。

 ドアを開けると、部屋の照明は消えていた。向かって右、窓がある方から淡いオレンジ色の光が射している。フロアスタンドだろう。
「祐一さん?」
 小さな声で呼びかけた。応える声はない。まさか本当に帰ったの?

 光の方に歩き出そうとした途端、不意に後ろから抱きつかれた。
「きゃっ!! な、何なの!」
 布らしき塊を、口に押し込まれた。反射的に吐き出そうとするが、タオルのような細長い物を無理やり噛まされ、首の後ろで縛られる。

「やめっ・・・うぅっ・・・うぐぐぅ・・・」
 必死に叫ぼうとするものの、くぐもったうめき声にしかならない。血の気が引き、鳥肌が立つ。両方の腕を絡め取られ、後ろに捻られた。背中を押されて、奥のダブルベッドへと追いやられる。

 最初の驚愕が、急速に恐怖に変わってゆく。背中に貼りついた男の体臭が、ぷんと鼻を突いた。祐一とは違う、もっと荒々しい牡の匂いだ。そして、もう一人。小柄な男が由真の体の前に回り込み、バスタオルの端をぐいと下に引っ張った。

 下着ひとつ身に着けていない裸身を、一気にあらわにされる。何とか腕を振りほどいて逃げようともがくが、手首を後ろからきつく握られていて、どうにもならない。そのままの状態で、ベッドに仰向けに放り出された。すぐさま手足を、二人掛かりで押さえつけられる。

「おとなしくしなよ。望んだとおりの事をしてあげるから」
 落ち着き払った声が、窓際に置かれた椅子の辺りから聞こえてきた。祐一だ。ゆっくりと近づいて来るそのシルエットに、由真は祈るような視線を向ける ── お願い、この人たちを何とかして!

「祐一さんも手伝ってくださいよ。この女、脚の力が半端じゃない」
 太ももの辺りを掴んでいる男が、カン高い声でそう呼び掛けた。脛を絡め取られ、足首を薄い布でくるまれる。その上から縄が巻きつけられる感触に、全身の皮膚が粟立つ。

「そりゃ、その人はダンサーだからね。でも、そんなに激しく蹴ると、大事なところまでバッチリ見えちゃうけど、いいのかな」
 まさか、祐一もグルだなんて! 信じたくない。目の前が真っ暗になり、自由な方の脚の動きが思わず鈍る。その隙に足首を持って反対側に引っ張られ、同じように固定された。

 縄の端は、由真がバスルームにいた間に、ベッドの脚柱に括りつけられていたのだろう。逆V型に開いた下半身は、もう動かせない。ハイレグのレオタードを着けるため、陰唇周りの恥毛は剃っておいた。だから、開脚しただけで無毛のオマ○コが丸出しになる。

 左手、そして右手。皮膚と縄の間に挟み込まれる布切れは、肌に縄の跡をつけないための配慮だろう。そうした男たちの手際のよいやり口が、由真の恐怖をさらに募らせてゆく。
「・・・んぐぅっ・・・ぅうっ・・・」

「よし、これで動けないな。お嬢さん、気分はどうだい?」
 部屋の灯りが点けられた。暗さに慣れ始めていた由真の目には、それだけでひどく眩しい。ベッド脇に運んで来られたフロアスタンドが、乳房から腹部、股間の花園までを、殊更に明るく照らし出す。

「顔に似合わず、毛深いな。いかにもスケベって感じの生え具合だし」
「けど、穴の周りはしっかり剃ってある。サービス満点だな、この女」
 シーツの上で、大の字に縛られた由真の全裸。その瑞々しい姿態を、男三人の視線が無遠慮に舐めまわす。せめて股間だけは隠したいと願っても、体をよじる事すらできない。

「さあ、写真だ。金田よ、興奮して手ブレなんかすんじゃねぇぞ」
 声の主を見上げて、由真はビクンと震えた。さっきの店で、マスターだと紹介された正木ではないか。由真は愕然とした。私服の彼は、店とは別人のように好色そうな表情をしている。

 女なんて、所詮は性欲処理の道具 ── そう考えているのが、顔つきからありありとわかる。つい先ほど初めて会い、普通に言葉を交わした男。その相手の目の前に、生まれたままの姿を晒す屈辱。体の芯が熱くなるような、その恥ずかしさ。

「任せてくださいよ。俺がこれまで、失敗したことあります?」
 金田と呼ばれた小柄な男が、歯を剥き出して笑った。
「知り合いにばら撒かれたら、二度とそいつらに会えなくなるような写真を、これでもかってほど撮ってやりますよ」

 滴るような悪意。由真の背筋が、恐怖と嫌悪感に凍りつく。こんな姿を写されるなんて。衝撃的な出来事の連続に、流すことさえ忘れていた涙が、堰を切ったように一気に噴き出した。
「そう、いい表情だ。でも、泣いたって絶対に許してやらないけどな」

 猿によく似た顔が、憎々しげに語り掛けてきた。シャッター音が響き、何度もフラッシュが光る。激しい怒りが、胃の奥からせり上がってくる。由真は、祐一の視線を捉えようとした。きっと何かの間違いだ。彼が、こんなことをさせる筈がない。

「何て目をしてるの? これは、あなた自身が望んだことなのに」
 揶揄するような口調。祐一もまた、普段の彼とは別人のようだ。
「魅せるダンスを身につけたいなら、単なるイメトレじゃなく、実際に抱かれるのが一番ですよ。同時に何人かの男にね」

 そんな事、望んでなんかいない。叫ぼうとしても、口の中の布と、きつく結わえつけられた猿ぐつわが、由真の声を封じている。
「バスルームに行ってくれて助かったよ。でないと、手荒なやり方をする必要があった。顔が腫れたら、せっかくの美人が台なしだもの」

 祐一が由真の頭を掴んで、ぐいと持ち上げた。
「この顔がちゃんと写ってなきゃ、ご家族やお知り合いに見せても、由真さんだとわからないからね。ほら、カメラの方を見てごらん」
 顔を背けることも許されない。目を固く閉じるだけが唯一の抵抗だ。

 顔の正面辺りで、何度もシャッターの切られる音がする。
「正木さん、乳首を勃たせて下さいよ。いかにも淫乱女って感じで」
 乳頭に吸い着く男の唇。だが、こんな状態で感じる筈などない。
「たまんねぇなぁ、この肌の張り。石鹸の匂いもいいねぇ」

 愉悦など微塵も感じていないのに、体が反応してしまう。
「お、いい感じに勃起してきた。右の乳もやっちゃって」
 無残に割り開かれた下肢。その足元から一眼レフが、容赦なく股間を、胸元を、そして涙で塗れた表情を狙ってくる。

「どう? こうして何人もの男に見られるのに比べたら、あのレオタードで踊るなんて、恥ずかしくもなんともなかったでしょ?」
 祐一の口調は冷静で、そしてとても優しげだ。そっと目を見開くと、鳶色の瞳が穏やかに由真を見下ろしていた。




 仰向けに縛りつけられ、顔と性器を入れた全裸写真を撮られる。まさに悪魔の所業であるにも関わらず、祐一のまなざしにはどこか透明感が漂う。そんな筈などないと知りつつ、彼だけは女としての自分を愛してくれている。由真にはそう思えてならない。

 その目を見つめ、その声に耳を傾けていると、輪姦されようとしているこの事態が、まるで自分のためを思っての事のように感じられる。だが、違う。そんな訳はない。彼ら三人は、悪意をもって女としての自分を穢し、貶めようとしているのだ。

「さて、お嬢さんのお道具を、奥まで見せてもらおうか」
 正木の指が、由真の陰唇を左右にぐいと広げる。
「・・・うぅぐぉ・・・んぐぅ・・・」
 暴れてもどうにもならない。手首と足首に、縄が食い込むだけだ。

「いい色だ。垢抜けた外見の割には、遊んでないみたいだな」
「すげぇ。奥の方がきらきらしてる。しっかり濡らしてやがる」
 正木と金田の声が重なる。堅く閉ざしたまぶたを透かして、フラッシュが網膜に届く。連続する金属的なシャッター音。恥ずかしさと悔しさに、嗚咽が止まらない。

「今回は、俺が最初でいいですね、正木さん」
 由真の頭を掴んでいた手を離し、ジーンズとトランクスを脱ぎ捨てた祐一が、ゆっくりと体を重ねて来た。金田が、一眼レフをビデオカメラに持ち替えて、二人の絡み合いに狙いをつける。

 生まれて初めて、心から好きだと感じた男性。それがこんなケダモノじみた性行為をするなんて。相手がどんな男かよく調べもせずに、感情のままに身を任せようとした。これが報いだと言うのか。由真は、自分の軽はずみさを悔やんだ。

 勃起した祐一のペニスが、クリトリスに当てがわれる。その状態で小刻みに振動を与えられると、下半身に痺れが走る。感じてなどいない。感じる筈がない。それでも反応してしまう女の生理が、由真にとっては恨めしい。

 祐一が腰を突き出す。野太い感触が、膣壁を圧迫してくる。派手な性格だと思われがちだが、由真の男性経験はさして多くない。媚肉の小径を掻き分け、肉杭が奥まで打ち込まれる。他人に見られながら犯されるなんて。いっそ、このまま死んでしまいたい。

 浅く深く繰り返される律動。女体が自らを守ろうとする働きなのか、由真自身の意思とは無関係に、愛液が湧き出してくる。
「おっと、いい表情だ。やっぱりこの女もスキモノかぁ」
 顔にピントを合わせた金田が、あざけりを込めた声で呟く。

 不意にペニスが引き抜かれた。口を開けた牝穴の奥を、男三人にじっと観察され、ビデオに撮られることの辛さ、恥ずかしさ。
「しっかり汁が垂れてやがる。今度は俺が味見させてもらおうか」
 ペニスをあらわにした正木が、嬉々としてベッドに上がってくる。

「・・・うぐっ・・・ぅぐぁっ!」
 数時間前に初めて会った、好きでもない男のモノが、体の中に入ってくる。声にならない慟哭が、猿ぐつわの奥から噴き上がる。膣壁に感じるサイズは、祐一のものよりも更に一回り大きい。

「ほら、気持ちを楽にして。あなたは美しい女性だ。だからこそ、こうやって多くの男に愛される資格がある」
 祐一が耳元で囁きかけて来る。この上なく悲惨な状況なのに、澄んだその声を聞くと、心がゆったりと溶けてゆくようだ。

「どうか、ほくを信じて。ぼくがあなたの中の、本当のあなたを引き出してあげる。あなたの中のミューズを、呼び覚ましてあげる」
 心の自由を得るには、肉体という器を壊さなくてはならない。巧みに言葉を変えながら、祐一が耳元でそう繰り返す。

「憎くて、こんな事をしてるんじゃない。魂を解き放つためだ。恥じらいを悦びとして楽しめる、そんな女性に、あなたならなれるさ」
 止まらない涙の向こうで、祐一の表情はとても優しい。その鳶色の瞳に見つめられると、女はすべてを許してしまいそうになる。

「正木さん、どんな感じですか? ああ、俺も早く入れてえなぁ」
「そうせっつくなったら。奥は熱いし、なかなかよく締まってる」
 男たちの野卑な会話。だが、それも気にならなくなる。祐一だけを見ていたい。彼の言葉だけに、耳を澄ませていたい。

「ぼくはね、女性はセックスしている時が、他のどんな時よりも美しいと思うんだ。それも、一人の相手とじゃなく、こうして何人かの男に犯される姿がね」
 脈拍と同じリズムで語られる囁きが、心をゆるやかにしてくれる。下半身がいつの間にか、男の律動に応えようとし始めている。

 酒の酔いが今ごろ回ってきたのか、意識に霞がかかったような妙な感じだ。素直に状況を受け入れ、快楽に溺れてしまいたくなる。
 だけどおかしい。アルコールは決して弱いほうじゃない。まさか、あのカクテルに何か薬を仕込まれたとか? 一度は浮かんだその疑いも、今の由真にとっては、すぐにどうでもよく思えてしまう。

「うんと楽しめばいい。あなたは自由で豊かな心の持ち主だ。女が女として最も美しくなることに、ためらったりはしないでしょう?」
 言葉に引き込まれ、酔わされてゆく。さっきまで感じていた恐怖のしこりが溶け去り、愉悦が体の奥から兆してくる。

 人は、自分が信じたいことを信じようとする。傍目にはどれだけ無理があろうとも、一筋の光、一本の糸にすがりたがる。このままでは、壊れてしまうこの心。意識の底では、わかっている。愛されてなどいないことを。だが、自ら描いたその幻影を由真は選んだ。

「ぼくらに、安心して何もかも見せればいい。ここがあなたのステージ。セックスこそが、あなたの本能のダンスなのだから」
 熱く熔けた胎内に、牡の肉棒を受け入れる、この至福の歓び。抜き挿しされる男根に、肉ひだが淫らに絡みつく。

 まぐわいの相手は、金田に代わっている。いつの間にか、両足首の拘束は解かれていた。代わりに括られた二本の縄が、ひざを斜め上に引っ張っている。下半身をM字型に固定され体勢で、由真は三本目のペニスを根元まで受け入れている。

 生で挿入されているために、膣内に射精されてしまう恐怖が常につきまとう。だが、祐一は自分のためだと言ってくれる。ならば信じよう。男たちに陵辱される事が、女としての孵化に必要な儀式なのだと。由真は目を閉ざして、湧き上がる快感に身を委ねた。




「すっごく綺麗だよ。もっと淫らに腰を振ってごらん」
 祐一の甘い囁きは続く。その言葉に応えることこそが、由真の悦びだ。それでなくても、やや小さめの金田のペニスでは物足りなく感じて、思わず自分から腰を打ちつけたくなってしまう。

 頬から上唇、そして下唇を、祐一の舌が丁寧に舐めまわす。
「あなたは美しい。そして、愛されることが歓びを生み出す。だけど、まだまだ満足はしていない。あなたの体はとても渇いている」
 男の指が首の後ろに回され、猿ぐつわの結び目をなぞる。

「キスしようか。でも、これが邪魔だね。取ってほしいかい?」
 すべてを包み込んでくれそうな鳶色のまなざし。あぁん、欲しい。この人の唇で愛されたい。由真は、夢中でうなずいた。
「よし、いい子だ。じゃあ、一緒に楽しもう」

 手ぬぐいをほどかれ、口の中の布が取り出される。解き放たれる感覚。獣じみたうめき声が、明瞭なあえぎになってこぼれ落ちる。
「あぁん・・・ああっ・・・祐一さん・・・」
 由真は首をもたげ、朱唇を突き出した。男の唇が重ねられる。

 舌を吸い上げられ、ねっとりとこね回される心地よさ。そして、下半身を突き上げる荒々しい律動が、女の悦びを倍加させる。
「あなたは、とても渇いてる。だから、ぼくの唾で癒してあげるよ」
 祐一の唾液が欲しい。飲みたくて、飲みたくてたまらない。

 女壷への圧迫感が、ぐんと大きくなった。祐一に唇を奪われたまま、斜め上を見る。金田と再び交代したのだろう。正木がこの女は俺のものだという目で、こちらを見下ろしている。
「・・・んぐっ・・・ぅああっ・・・」
 悔しい。でも、その大きさと猛々しさに狂わされてしまう。

 祐一の唇が離れた。由真の舌が、名残惜しそうにその後を追う。
「いいかい、口を開けてごらん。そう、もっと大きく」
 ああ、欲しい。それしか考えられない。金田が至近距離から、ビデオカメラで狙っている。でも、これが私。本当の自分を撮って欲しい。

 真上から口腔に垂らされた祐一の唾液を、のど奥で受け止める。タバコの苦味さえもいとおしい。二度目、そして三度目。のどを鳴らして嚥下する様を、撮影されてゆく。正木の巨根が浅く深く肉洞を貫き、由真の口からは絶え間なくよがり声が噴き上がる。

「ああっ・・・おいしいぃ・・・あぅん・・・も、もっと下さい」
「そう、あなたは気持ちよくなればなるだけ、心も体も渇いてゆく。でも、唾液はこれで終わりだ。もっと美味しいものをあげるよ」
 声を潜めたその囁きに、由真の胸が妖しくときめく。

 欲しい、欲しい、欲しい! それしかない。他の事が、何も考えられなくなっている。その異常さに由真本人が気づかない。
「咥えてごらん。根元まで呑み込んで、舌を使うんだ」
 差し出された祐一のペニスからは、由真自身の牝の匂いがする。

「あなたののどの渇きは、もう我慢できない程だ。一生懸命に舐めたら、うんと濃いのが飲めるから。さあ、咥えてごらん」
 ためらいは一瞬だった。目の前の陰茎を口に含む。獣の交合を連想させる生臭さが、口の中に広がる。

「すげぇ吸いつきだ。中で舌がピチピチ跳ねてるよ」
 頬をきゅっとすぼめ、唯一自由になる首を前後に振り立てる。
「綺麗な顔も、ちゃんと撮ってもらおうな。ほら、カメラの方を見て」
 近づいてくるレンズを見つめ、由真は肉竿を根元まで咥え込んだ。




 ついに始まった緊縛輪姦。淫靡な「渇きの暗示」によって、由真は祐一の思惑通りに痴態を演じ続ける。この続きは、「輪姦の宴(4)」でどうぞ。




このストーリーはフィクションです。登場する団体、人物等は架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。のぞき、盗撮、強姦、輪姦などは犯罪です。絶対に真似をしないでください。