官能小説 家庭内盗撮の妄想

官能小説

 

開いた窓(1)

― 窓辺で晒される妻の下半身 ―



 結婚前の彼氏からローターによる辱めを受けていたことを、官能に呑み込まれて白状した妻。しかし、一夜明けると元のH嫌いなしっかり者に戻っていた。言葉には出さないが、
「ローター? そんなもの知らない。何それ? 嫌らしいわね」
という気丈な姿勢が、その横顔から見て取れた。

 朝飯をトーストとコーヒーで済ませて、玄関に向かう。
「じゃ、行ってくるよ」
「今夜は、遅くなるの?」
「いや、9時前には帰って来れる。それにしても・・・」
 思わせぶりに言葉を切って、エプロンをまとった妻の肢体、特に下半身をじっと見やる。

「昨日の夜は、とってもよかったよ」
 耳元で、声を低めて囁く。
「ばぁか、何言ってるの。子どもに聞こえたらどうするのよ」
 あわてて小声で答えて、リビングの方を心配そうに見やる妻。

 私は、いかにも嫌そうに振舞っている妻の頬が、ほんのりと桜色に染まっているのを見逃さなかった。夜の淫らな顔がこの朝の時間にまで、微かににじみ出してきたかのようだった。




 その後の一ヶ月間、秋に向かう単調な日々が続く中で、2度ほど妻と交わった。鏡もローターも確かに効果的ではあるが、より深い妻の秘密を聞き出すには至らない。私自身、これからどう進めたものか、考えあぐねてもいた。交合を記録したビデオテープが、1本ずつ溜まってゆく。

 そんな時、妻との出会いを作ってくれた友人、高岡から連絡があった。高岡は卒業後も大学に残り、少し前に助手から助教授になっていた。数日後に学会で、私の住んでいる街の近くに来ると言う。

 高岡の奥方は、二人でダンスのステージを観に行った時につき合っていた恋人で、彼らは私たちの半年後に結婚した。出会ってから1年ちょっとで年貢を納めた私に比べ、交際3年、じっくりつきあった上でのゴールインだった。

 そのつながりで、妻も私と交際する前から高岡を知っている。自宅に来てもらおうかと言ってみたが、その日は夕方からPTAの会合が入っているとのこと。しきりに残念がっている妻には気の毒だが、私は外で彼と会うことに決めた。

 理学部の彼と工学部の私は、大学の同じサークルの出身だ。実は最初、私たちは衝突ばかりしていた。相手のことをお互いに、生意気な奴だと感じていたためだが、理屈っぽい話を好むと言う点で妙に気があって、卒業後もつき合いが続いている。

 私は、定時に勤め先を退けて、待ち合わせの駅で彼と落ち合い、まずは居酒屋で乾杯。食欲を満たしてから、私が時おり立ち寄るショットバーに顔を出した。カウンターだけの小さな店だ。客は私たちの他にはいなかった。

 社会に出て知り合った間柄と違い、学生時代から馬鹿を言い合った仲だ。下ネタにもまったく抵抗はない。店内の落ち着いた雰囲気に誘導されてか、話は思わぬ方に転がっていった。

 少し前に中央官庁の役人が、通りすがりの女性の前で性器を露出して捕まったという事件があった。それを話題に乗せたのは、確か私の方だったろう。

「自分のアレを、女の子に見せて、嬉しいもんかねぇ」
 私は、その趣味がないので、心底わからない。
「まぁ、マゾヒズムの一つの形だからな、露出症ってのは」
 専門ではないが、心理学にもかなり詳しい高岡がそう答えた。

「ってことは、覗き癖がある奴はサドってことか?」
「そういう説もあるってレベルだけどな、対比させるとそうなる」
 高岡は、身長180cmくらいで、やせ型。面長の彫りの深い顔に、ロイドメガネが似合っている。真面目な表情で、冗談を言うとぼけた奴だ。

「露出症で事件になるのは、いつも男だろう? 女にそういう嗜好はないのか?」
 私は、素朴な疑問を口にしてみた。

「そりゃ、あるさ。でも、社会的通念として、ふしだらな女は損をするという現実がある。だから、たいていの女性は露出はしない」
 この小気味よい断定口調も、昔からだ。カウンターの中では、バーテンダーが無表情でグラスを磨いている。

「なるほど。男が女に処女性を求めてるってことを、女はよく知っているわけだな」
「そう、小さい頃から『女は女らしく、しとやかに』と、しつけられるからな。それは極言すると有利な結婚をするためだよ。そのタガは深く女性の心に食い込んでいて、滅多なことでは外れない」

 私は、妻の日常を思い起こし、その通りだと思った。高岡は言葉を続ける。
「それに、事件になった件数、イコール露出行為があった件数とは限らないからなぁ」
「ん、それはどういうことだ?」
「考えてもみろよ。街で女がアソコをモロ出しにしているのを見て、お前は警察に通報するか?」
「なるほど。しないね。いいモノを見せてもらったとは思うけど」

 メガネの奥で、高岡の目がいたずらっぽく笑っている。
「それだけなら紳士的だが、痴女だと思って近づいて、男女の親密なふれあいをしようとする輩も多いだろう」
「うん、お前なら間違いなくそうするだろうな」

 まぜっかえす私を、軽くいなして、
「何をおっしゃる。そりゃ、お前の方だろ。俺は、軽く咳払いして注意するさ。『お嬢さん、私の目がどうかしたのか、見えないはずのものが・・・』ってね」
「ウソくせー。んなわけ、ないだろー」
 高岡と私は、上機嫌に笑い合った。




 共通の友達のことなど、ひとしきり他愛のない会話が続いた後で、私は話題を戻した。
「つまり、数はわからないけど、アソコを知らない男に見せて悦ぶという、素晴らしい女性たちがいるってことだよな」
「ああ、一定数はいるだろう」

「その女性たちは、その境地にどうやって翔べたのかねぇ?」
 軽い気持ちで尋ねたのだが、ツボにはまったようだ。高岡は、少し考えてから解説を始めた。

「第一に、古い社会的通念から自由になった女性。つまり、自力で生きてゆく覚悟と経済力を手に入れた女だな。不用意に媚びを売る必要がない彼女たちは、自分の欲望に素直になれる」

「第二に、手放しで頼るべき存在を手に入れた女性。何があっても守ってくれる、自分を愛してくれる相手がいる場合、人は大胆になれる。もちろん、その愛が錯覚の場合もあるが」
 少し皮肉混じりの口調で続けながら、メガネのレンズ同士をつなぐ部分を中指で押し上げる。

「三番目。忌むべき話だが、子どもの頃の性的虐待や愛情の欠如によって、親に対する強い反発・反感を感じている女性。彼女らは、自分と近親者を傷つけるために露出する。これは実に悲惨だ。」
 高岡は顔をしかめて、苦そうにロックグラスの中身をのどに流し込んだ。

「そして最後が、性体験が浅い時期に『こういうものだ』と教え込まれた女性。当然と思って経験を重ね、後からアブノーマルな行為だと気づいても、一旦染みついた好みは簡単には変わらない」

「相変わらず、さすがの切れ味だねぇ、高岡大先生」
 昔どおりの鮮やかな分析に、私は拍手した。この説が真理かどうかはともかく、少なくとも説得力はある。高岡は続けた。

「もともと女性は、自分の体を見られることが好きだよ。スリット入りのミニスカートや大胆な水着だと、男の視線の質が変わることを彼女らはよく知っている。際どい服装であればあるだけ、効果があることもね」

「それに彼女たちは、男の優しさを引き出す武器として使えるというだけの理由で、嫌々そういう服装をしてるわけじゃない。合法的に露出の快感が味わえる上に、自分にとって得だからする。言わば、趣味と実益を兼ねてるわけだな」

 こうなると、ひと区切りつくまで、弁舌は止まらない。
「肉体的なコンプレックス ―― 例えば脚が太い、貧乳だ、太り気味だという負い目があっても、異性に見られたいという欲求はなくならない。その自分の欠点を『可愛い』と受けとめてくれる相手さえいれば、見られる悦びは倍化し、開放される」

 高岡の長広舌を聞きながら、私は考えた。妻はどうなのだろう。もしも露出に悦びを感じるとしたら、おそらく四番目のケースではないか? さらに私が、何があっても妻を愛するという姿勢をちゃんと示して後押しすれば、あるいは・・・。

「お前、何だっでそんな事を聞くんだ。ひょっとしてミーコさん、そういう趣味か?」
 酔いも手伝って、ちょっとの間、物思いに沈んでいた私は、高岡に突然ツッコまれて、ギクンとする。

「そりゃ、あんな露出度の高い衣装を着て、ステージでダンスしてたんだぞ。多少は、見られたい気持ちもあるはずだ。お前の奥さんだって同じだろ?」
 私は、動揺を隠して切り返した。

「まあ、そうだな。場数を踏んでいるだけ大胆だし、言葉は悪いが、注目されることに味をしめているところはあるかな」
「理恵さんは、ホントに可愛かったもんなー。小柄でキュートで」
 彼女は、私の妻よりももっと人気があったはずだ。

 何を言ってるんだという顔の高岡。顔の前で手を振って、
「それを言うなら、美子さんもステージ栄えしてたじゃないか。お前と一緒にステージを見に行った時、あの男を誘うダンスにマジで痺れたなぁ」
「ばかやろう。人の嫁さんをそういう目で見るんじゃないよ!」
 もちろん、相手の言葉に本気で怒っているわけではない。軽い照れ隠しの応酬 ―― 。

 いま思えば、カンのいい高岡はこの時、既に何かを感じとっていたのかも知れない。黒縁のメガネの奥で二重まぶたの目が、何かしら気がかりそうに私を見守っていた。




 旧友を宿泊先のホテルまで送ってゆき、近いうちに今度はこちらが遊びにゆくと約束して、家に帰り着いたのは午前1時だった。子どもはもう寝ていて、妻は起きていた。化粧を落とし、トレーナーに着古したスパッツという服装で、寝る準備はできている。

「あいつ、元気そうだったよ」
「そう、私も会いたかったなぁ」
 妻は、懐かしそうに目を細めた。高岡との会話の中で、あのステージのセクシーな姿態を思い出していた私は、妻の手を握った。

「しよう」
「何を?」
「セックス」
「今から? もう遅いし・・・」
「今夜、絶対にしたい。我慢できない。我慢できないよー」
 意識はしっかりしていたが、ことさらに酔った振りを装って駄々をこねてみせた。

「今夜のマッサージは勘弁。俺の方が疲れてるから。代わりに明日の夜、皿洗いするからさ」
「もぉ、しょうがないなぁ、この酔っ払いは」

 何度かのお願いの後で、妻は仕方なく折れたというように肩をすくめてみせた。
「いいわ、お風呂に入って来て」
「ありがとうごぜぇやすだ、奥様ぁ」

 お道化て言うと、服を脱いで浴槽に浸かった。この展開では、隠しカメラをセットする時間的余裕がない。風呂から上がってすぐに始めないと、妻が寝てしまいかねない。私はペニスとキン○マを入念に石鹸で洗った。今夜もしこたま咥えてもらわなくては。




 私の部屋は、和室とリビングが面している川と逆方向の道路側にある。カーテンは厚手のものと、薄いレースのカーテンを二枚重ねで使っている。窓の外には、こちらも小さなベランダ。二車線の道路を隔てて、向かいにマンションが二つ並んでいる。

 夜も遅いためか、部屋の電灯はほとんど消えていた。向かって左手に、6階建ての世帯向けマンションがあるが、築20年は経っていそうなその建物の左上隅の部屋の灯だけが、ぽつんと点いている。

 その右にある8階建てのビルは、完成間近のワンルームマンションで、どうやら入居者は女性に限られるらしい。まだ建設用シートがすっぽりと掛けられている壁面は、当然ながら真っ暗だ。

 灯りのついた部屋との距離は約30mというところか。目を凝らしたが、不透明なガラス窓に人影は見えない。私は自室の窓を開け放つ。そして、中央で合わせるタイプのカーテンを、約20cmの間隔まで閉じた。

 酔いに任せた大胆さだったと思う。さっきの高岡の言ったことが、頭の中を駆け回ってもいた。私は、部屋に入ってきた妻を軽く抱き寄せる。
「やっぱりマッサージしてあげるよ、少しだけ」
「いいわよ。あなた、疲れてるでしょうに」

 遠慮する妻をなだめて、ベッドに横にした。部屋の灯りを豆電球に変える。妻は、カーテンのすき間に気づいた様子だが、何も言わなかった。

 私はいつもの調子で足裏から尻の辺りを揉み込みながら、妻の下半身を剥いてゆく。スパッツを脱がせ、ショーツを取り去る。つややかな尻肉があらわになってゆく。

 窓はベッドの横方向にある。私は片手でマッサージを続けつつ、音を立てないようにカーテンのすき間を次第に広げていった。向かいの部屋の灯りはついたままだ。あちらは6階なので、4階のここを見下ろす位置関係になる。

 もし、あの部屋の住人が気まぐれにベランダに出て来たら、きっとこの部屋の灯りに気づくだろう。豆電球は、かなり明るいものに換えてある。この距離なら双眼鏡なしでも、妻のすべてが見られてしまうに違いない。

 妻は、窓とは反対側に顔を向けて頬をシーツにつけて、うつ伏せになっている。自分の裸の尻と大きく開いた股ぐらの奥が、外から覗かれているかも知れないのだ。彼女は、まだその事にまったく気づいていない。

 ベージュのトレーナーを徐々にたくし上げて、妻の背中を露出させる。片手を体の前面に回して、乳首の具合いを確かめる。熟し落ちそうな二つの果実の感触を指先で楽しみながら、私はわき上がる嫉妬を感じ取っていた。

 何人かの男たちが妻に教え込んだに違いない、男女の変態的な交わり。その具体的な内容をどうしても聞き出さずにおくものか。私の酔った頭は、その事ばかりを狂おしく考え続けていた。




 酒に酔っての暴走か、月光のもたらす狂気か。私の激情が、妻の秘めた露出願望を引き出し始める。この続きは、「開いた窓(2)」でどうぞ。




このストーリーはフィクションです。 のぞき、盗撮は犯罪です。絶対に真似をしないでください。