官能小説 家庭内盗撮の妄想

官能小説

 

夫婦の夜の営み(1)

― 妻の性愛の原点を探しに ―



 妻とのセックスを隠し取りしたテープは、撮影ができた夜ごとに1本のペースで増えてゆく。秋も深まって冬の足音が聞こえ始めた頃には、録画済のテープは合計で20本近くになっていた。

 と言っても、全編が嫌らしい映像というわけではない。妻が部屋に来る前にカメラをセットし、起動しておく必要があるため、着衣のままでマッサージをしていたり、ベッドに腰掛けて話をしている時間も割に長い。

 無駄な部分の多いテープ、しかも8ミリビデオを毎回サーチして観るというのは大変なので、Hシーンだけのダイジェスト版を作ることにした。妻が子どもを連れて出かけている休日の午後あたりだと、気兼ねせずに作業できる。

 現在ならDVDに録画するところだろう。しかし、当時はまだ機器の価格が高く、性能的にも十分でなかったので、手軽さという面でVHSテープにダビング編集することにした。

 暗い中で撮っているために、元々の画質は粗い。S/N比の悪いテープだと目に見えて画像品質が落ちるため、普通に市販されている中では一番高いテープを使うことにした。赤と白と黄色の例のコードで、ビデオカメラとデッキをつなぎ、編集作業をする。

 ある程度の本数があるとは言え、毎回のパターンはそう変わるものではない。最初に画面の外から現れる妻を迎えて、ちょっとした会話のやりとりがある。そして、そのまま抱き合って服を脱がしてゆくか、または妻への足裏マッサージを始めるのだ。

 そして、何気ない様子でマッサージをしながら、妻といろいろと話をする。子どものこと、近所づきあいのこと、パート先でのこと。やがて、パジャマの下(着古したスパッツだったりする)を脱がし、ショーツも取って下半身を丸裸にする。

 腰の周辺から背中のツボを揉み込んでやる一方で、両脚を左右に広く開かせて、股間を覗き見て楽しむ。そして、うつ伏せのままで上半身もはだけてゆく。私は整体についてはまるで素人だが、入門書を買って人体のツボについて、少し勉強した。何事も妻を裸に剥くためである。

 時折、尻の肉を割り開いて、アナルの周囲を唾液たっぷりの舌で舐めたりすることでアクセントをつけつつ、頃合を見て妻の体を裏返す。仰向けになった状態で、引き続き足裏マッサージを続ける時もある。ダビングは、大抵この辺りから始める。

 前にも何度か書いたことだが、行為中は自分の体でカメラを遮らないように、できるだけ気をつけてはいる。それでも、妻の股間に伸ばした腕が、妻の顔を隠してしまったりすることはある。それを後からチェックして、次回の体位に活かしてゆくわけだ。

 編集作業をしながら、私の股間は激しく勃起して来る。妻は年齢の割にスタイルはいい方だが、それでも所詮は30歳代の普通のオバさんの、間延びしたセックスビデオでしかない。私にとっても見慣れた裸だし、AVのように全編派手によがってもいない。

 また、ロリータビデオのように背徳の薫りがするわけでもなければ、プロポーション抜群の若いモデルが何人かの男に陵辱されるといった刺激的な内容でもない。中年の入口を迎えた、どこにでもいる男女の情交の様子が写っているだけだ。

 しかし、私にとってはこの上なく「抜けるビデオ」だ。映像として記録することで、エロの錬金術が施されたかのごとく、編集時にも巻き戻ししながら何度となく観て興奮する。できあがったダイジェスト版を使って、寝る前にマスターベーションすることもよくある。

 とっかかりは、市販の熟女AVを使うことが多い。その時にも、妻が男優さんたちに犯されている場面を、二重写しに妄想して観ている。高まってきてからビデオを入れ替え、妻が自分のペニスを口一杯に頬ばっている場面でイクというのが、私のお気に入りだ。

 カメラに正対する形でM字開脚させて股間をなぶる時も、クリトリスをいじる手を一定時間どけて、あの卑猥な形がカメラにしっかり収まるようにしてやる。後から観ると、発電所のマークそのものの形に開いた、妻の牝穴がしっかりと撮れている。

 剥き出しの膣に、二本・三本と指を入れて掻き回してやる時の、妻の腰の振り方も淫らでいい。指の動きを止めていても、自分の方が動けば同じだとばかりに、天井に向けて突き上げた脚をうねらせつつ、腰を懸命にグラインドさせる。

 それ以上に淫靡なのが、妻の表情の変化だ。最初は笑顔も見えるが、次第に情感が高まってくると、切なげな、それでいてうっとりとした表情が兆してくる。口を開けてあえぎ声がもれそうになるのを、何とかして堪えようとするのがいじらしい。

 そして、感じてきた妻が舌を突き出して、私のいきり立ったペニスを舐め回してくれる様子がこたえられない。本人には「美味しい」という感覚はないだろうが、いとおしいものとして粘っこく愛撫を繰り返してくれる姿は、観ていて本当に嬉しくなるものだ。




 私たちも、時々は夫婦ゲンカをする。妻がカッとするのは、私が頼まれていたことを忘れていたり、彼女の話をいいかげんに聞き流していたとわかった時。そして、私の方は、料理が手抜きになって愛情が感じられないとか、2週間も続けて夜の求めを断られた時など。他愛ないと言えば、ない。

 私には「妻に自分を愛して欲しい」という思いが、心の底にずっとある。隠し撮りを始めて、それは以前にも増して強くなってきた。妻の態度につれなさを感じると、思わずそれが噴出してしまう。わがままには違いないが、自分でも制御できない感情だ。

 いさかいの後で気分が収まらず、自室に引きこもって作成したダイジェスト・ビデオを観る。すると、頑なになっていた気持ちが次第にほぐれてくるのを感じる。ビデオの中の妻の淫らな姿。目を閉じて私の陰茎を一心にねぶる姿に、癒される気がする。

 こう書くと、私がとても陰湿な性格に思えるかも知れないが、15分くらい妻と自分が交合する姿を見つめていると、すべてを許せる気持ちになって、リビングに戻ってさらりと謝罪する。自己弁護になるが、夫婦生活にはプラスに働いている面も確実にある。




 妻の過去に対する割り切れなさはあったものの、日々は何事もなく過ぎてゆく。カーテン全開の真昼のリビングで、妻の裸を晒しものにしたあの日以来、しばらくは誰かに見られてしまったのではないかという怖れがあったが、それも時とともに薄らいでいった。

 初冬の気配が強まってきた頃、高岡が住んでいる地方都市に、仕事で出かけなくてはならない用事ができた。自宅からだと、ターミナル駅まで出るのに約1時間。そこから新幹線で2時間という旅程になる。

 出張が決まった日に、さっそく妻に話すと、
「私も一緒に行きたいなぁ。理恵にもしばらく会ってないし」
 いかにもうらやましいという口調で、そう答えた。しかし、子どもの世話を考えると、妻を同行するのは難しい。

 夜になって、リビングの入口で高岡の自宅に電話を掛けると、奥さんが出た。
「ご無沙汰してます。お元気でしたか?」
 そう問いかけた私の耳に、明るく弾むような答えが返ってきた。
「ええ、そちらもお変わりありませんか? お子さん、大きくなられたでしょう?」

 私は、電話の向こうの彼女の姿を想像した。初めて見たのは、モダンダンスのステージの上。妖精をイメージした可愛らしい衣装がよく似合っていた。その後、高岡・理恵さん・私・妻で、何度かダブルデートしたこともあって、お互いによく知った間柄だ。

 子どものこと、仕事のことなどを軽く話題にした後で、高岡に電話を代わってもらった。
「よう。どうした?」
 そっちに出張で行くことになったので、その日の夜に会えないかと尋ねると、大丈夫だろうとの答だった。

「じゃ、この前そっちでしたみたいに、二人で飲み屋に行くか?」
 私は、台所で洗いものをしている妻の様子を窺って、聞かれる心配がないことを確認してから、
「いや、できれば理恵さんにもちょっと聞いて欲しいというか、相談があるんで、三人で会えないだろうか?」

 電話の向こうの高岡は、ちょっと面食らった様子だ。
「理恵にか? 何の相談だ?」
「まあ、ちょっとな」
 言葉を濁してはみたが、カンの鋭い高岡がすかさず、
「美子さんのことだな」
と、切り込んでくる。

 私は、妻の耳を意識して、さらに声のトーンを落とす。
「そんなとこだ。最初にお前に聞いてもらって、その後で理恵さんにも合流してもらうというのは可能かな?」

 何かを考えているような短い間があってから、声が聞こえた。
「それなら俺の自宅に来いよ。お前のところと違って、子どももいないし、気楽なもんだから、泊まってけばいい。理恵もなつかしがってるしな」

「ありがたい話だが、迷惑じゃないか?」
「おいおい、変な遠慮をするなって。ウチだって新婚ってわけじゃないし、その方が時間を気にせずに飲めるからな。大学まで来てくれれば、家に帰る車の中で、大体の話は聞けるしな」
 私も少し考えてから、高岡の好意に甘えることにした。

「じゃ、よろしく頼む。ちょっと待ってくれ。美子に代わるから」
 台所に声を掛けると、妻がエプロンで手をふきながらやってきて受話器を取る。

「高岡さん、ご無沙汰してます。・・・そりゃ、元気ですよぉ。そちらは・・・そうですか。主人が今度、お邪魔するそうで・・・」
 妻は、高岡と理恵さんの二人を相手に20分ほど話し、しきりに一緒に行けない事を残念がっていた。




 現地でしなくてはならない仕事は、関連会社との打ち合わせが主だった。前任者が他部門に転出したために私に回ってきた仕事で、不慣れな割りには予定の時刻よりも早めに終わった。

 待ち合わせに遅れては高岡に迷惑が掛かると思い、資料を念入りに準備したのが良かったのだろう。この街を訪れたのは、何年ぶりかなと考えたが、すぐには思い出せなかったくらいだ。

 私は、訪問先の会社の玄関から、傾いた陽射しの屋外に踏み出した。ここは、学生時代を過ごした街。さだまさしの「主人公」の歌い出しを口ずさみながら、私はバス停に向かって歩き出す。

 今夜、高岡に話さなくてはならない内容は重たく気恥ずかしいものだったが、あの頃を思い出させてくれる風景に久しぶりに触れて、心は浮き立っていた。理恵さんに会えるというのも、ウキウキの原因の一つだったろう。

 大学の正門前を通る路線のバスに乗り込む。高岡はそこの理学部の出身で、大学にそのまま残って(途中で海外の研究所に勤めた時期もあるようだが)助教授になっている。大学が近づくに従って、思い出のある建物や風景が多くなってゆく。

 懐かしい桜並木も、今は冬木立の風情だ。その木々の下を通って、かつて自分が通った工学部の建物の方に回ってみた。古びた学舎は、昔のまま。学生達の姿を眺めつつ周辺を散策してから、理学部に行き着いた。

 事前に場所を聞いておいた高岡の個室をノックすると、
「どうぞ」
 確かに奴の声だが、学生に対して威厳を示そうというのか、低めの音程のように聞こえる。

「よう、来たな。用事は済んだか?」
 壁面一杯の書棚に積まれた専門書。机の上に広げられたレジュメと書類ファイルの山。おおむね想像した通りの部屋に、白衣を着た高山がいた。

 私が、無事済んだと答えると、
「俺も、あと少しで終わる。その辺りの椅子に適当に座っててくれ。あ、コーヒーが飲みたかったら、インスタントしかないが、そこのポットの湯で・・・」
「うん。適当にするから、お構いなく」

 キーボードをカタカタと打ち、何かの資料を仕上げている風な高岡の横顔を見ながら、学生時代から何事につけても合理的な奴だったなと、改めて思い出す。自分の出した結論が常識に合致しなくても、正しいと信じる限りはそれを貫く男だ。

 周囲にとっては、その辺りが強引に感じられる所以なのだが、高岡の思考は当時から実年齢に比べて成熟していて、バランスもとれていたので、最初は無理だと感じても、結局は彼の言葉が正解だったという事は数多くあった。

 まだ、お互い老け込むという年齢ではないが、ここ数年でいくらか白髪が混じってきたようでもある。長身に面長、ロイドメガネの風貌は、有名な日本科学技術大学の某教授に似ていなくもない。

「このファイルを添付して送っておけば・・・さあ、これでよし」
 そう呟くと、高岡はパソコンの電源を切る操作をしてから、こちらを振り向いた。
「じゃ、行くか? 話は、俺の車の中で聞くよ」
「ああ、そうしよう」

 隣の部屋の助手にひと声かけて、玄関から外に出ると、辺りを宵闇が満たしていた。自宅までは、車で10分ほどの距離だと言う。走り出すと、すぐに高岡が水を向けてきた。

「で、どうした? 奥さんのことだったよな」
 前置きもなく単刀直入に切り出すことで、こちらが話しやすいように図ってくれているのを感じながら、私は事情を説明し始めた。

「美子の様子が、どうも変なんだ」
 最も信頼が置ける友人である高岡には、すべてを話すつもりで来たが、事が事だけに、どうしてもあいまいな物言いになってしまう。
「どういう風に?」

「くれぐれも他言しないで欲しいんだが、美子本人にもな」
「そりゃ、よくわかってる。安心しろ。・・・他人に裸を見せたがるっていう、例の件か?」

 こいつと話していると、会話がコマ落としのようになるのを、たびたび経験させられる。二つか三つやり取りをした後に出てくるはずの言葉を唐突に発して、人を驚かせる奴なのだ。

「何でわかった?」
 確かに前回、一緒に飲んだ時にそんな話題は出たが、妻がどうだとは口にしていない。
「そりゃ、わかるよ。お前の心配そうな顔を見たら」
「まあな・・・」

 すれちがう対向車のヘッドライトを、私は目で追っている。全てを話してもいいものだろうか? しかし、話さなくては会いに来た甲斐がない。私は、まず妻がセックスを嫌っているように見えること、しかし、官能に火がつくと、積極的に自分を求めてくることを話した。

「結婚して十数年も経てば、多かれ少なかれ、どこの夫婦もそんなもんだろ? 刺激を求めるって面もあるだろうし」
「それはそうだと思うよ・・・。しかし、感じ方がすごいのと・・・」
と言ってから、自分のことをどう表現したものか、迷ってしまう。

 私自身の性癖について告白しないことには、先に進まない。しかし、友人に対して口にしにくいことではある。
「お前自身が、奥さんの裸を人に見せたいと思ってるんだろ?」
 ズバリと高岡が指摘してきた。




 私は、ハンドルを握って前を向いたままの高岡の顔を、しげしげと見つめた。こいつ、シャーロック・ホームズか? 高岡は続ける。
「そりゃ、屈折した情動ではあるが、男としてはそう珍しい欲望でもない。実行している人達もいるじゃないか、雑誌への投稿とかで」

 大学の先生が、その手の写真雑誌を読んでいいのか、と思わずツッコミを入れたくなったが、今はそんな場合じゃない。こういう軽口も、私に抵抗なく話させるための気遣いに違いない。

「そうなんだ。確かに俺の中には、そういう欲望がある」
 私は、自分自身に言い聞かせるように呟いた。
「問題は、妻もそれを快感として受けとめているところがあって、しかもその程度が、普通じゃない気がするんだ」

「普通じゃないって、どんな?」
 私は、「開いた窓(2)」と「淫欲のめざめ(1) (2) (3)」の出来事を、努めて淡々と話した。高岡は、時おり短い合いの手を入れながら、静かに聞いている。

「俺と出会う前に、美子に何があったのかが知りたいんだ。妻が俺の手で感じる姿を見るのは嬉しいけど、昔の男に開発された性感については、正直なところ嫉妬しちまう」
「それで、ウチの奴に昔のことを聞きたいというわけか・・・」
 高岡は、前方を向いたままで、自分のあごをゆっくり撫でた。

 車は大通りから左折して、住宅街の中の道に入って行く。
「もうすぐ着く」
 手短な言葉。話の内容は性に関係した事だったが、それを嘲笑う態度を少しも見せない高岡をありがたいと感じる。

「そっち方面だとは思ったが、理恵には何も言ってないから安心しろ。美子さんは、最初は別のダンスサークルにいたような話を、ちらっと聞いた記憶があるが・・・」
 私には、それは初耳だった。妻は、出会う前のことをほとんど話したがらないし、私も無理やり問い詰めることはしなかった。

 私と同じく、近くに借りているという月極駐車場に車を停め、高岡の後についてマンションに向かった。建物の玄関から、インタホンでオートロックを解除してもらう。高岡とやり取りする理恵さんの声が、スピーカーの向こうから聞こえてきた。

 エレベータの中で、高岡が念を押すように言った。
「俺がうまく話を誘導するから、そう思いつめたような顔するな」
「ああ、すまん」
 そう言われるほど引きつった表情をしているのかと苦笑しながら、私は荷物を持っていない方の手で、自分の頬を軽く叩いてみる。

 降りた階のエレベータホールで、理恵さんは待ってくれていた。
「ご無沙汰してます。今日は、お世話になります」
 かしこまってお辞儀する私を、高岡夫人は笑顔で迎えてくれた。
「硬いあいさつは、なしにしてください。お食事まだでしょ? お酒もたんと用意してますから」

 理恵さんは、結婚前の小柄でキュートでお茶目な印象そのままで、三十歳を過ぎているとはとても見えない。確か妻よりは何歳か若かったはずだし、子どもを生んでないのもあるだろうけど、それにしても・・・。

 私の目は、ジロジロ見てはいけないと思いつつ、理恵さんの脚に吸いつけられていた。ひざ上何センチだろう。かなりのミニスカートで、しかもそれがよく似合っている。高岡を振り向くと、安心しろという風にウインクを返してきた。




 妻の過去への糸口を見つけるために訪れた友人宅。そこで私は、意外な事実を知ることになります。引き続き「夫婦の夜の営み(2)」をお楽しみ下さい。




このストーリーはフィクションです。 のぞき、盗撮は犯罪です。絶対に真似をしないでください。